「中国車がアメリカに来てもいい」──デトロイトで語られた一言が示すもの

車に関わる仕事をしていると、こうしたニュースには自然と耳が傾きます。2026年1月、デトロイトで行われた経済クラブの場で、トランプ大統領が語った「中国の自動車メーカーがアメリカに工場を建て、雇用を生むなら歓迎する」という発言は、単なる挑発ではなく、今の自動車業界が置かれている現実をそのまま映しているように感じました。
これまでアメリカの自動車産業は、国内生産・国内雇用を重視する姿勢を強く打ち出してきました。しかし実際には、日本メーカーも、ドイツメーカーも、すでにアメリカ国内で工場を構え、地域に根ざしたものづくりを行っています。そこに「中国」という選択肢が加わる可能性が出てきた、ただそれだけの話とも言えます。
私自身、SOUPで日々さまざまな車に触れていますが、ここ数年で特に感じるのは「クルマの価値基準が確実に変わってきている」ということです。国やブランドよりも、完成度、設計思想、そして長く大切に乗れるかどうか。そうした視点で車を見られる方が、確実に増えています。
アメリカで生産される中国車が増えれば、当然ながら日本市場にも影響は出てくるでしょう。ただ、私はそれを一概に悪いことだとは思っていません。むしろ競争があるからこそ、ものづくりの精度は上がり、ユーザーにとっての選択肢も広がります。
車が多様化すればするほど、「どう守るか」「どう長く乗るか」という視点は、より重要になります。塗装の質、素材の違い、製造国による塗膜の傾向。そうした違いを理解した上で施工するセラミックコーティングや、その下地を整えるガスプライマーの役割は、今後ますます大きくなると感じています。
国が変わっても、車を大切にしたい気持ちは同じです。その想いを受け止め、形にするのが、私たちの仕事だと考えています。
世界の流れが変わる今、車との付き合い方も少し変えてみる

今回のトランプ大統領の発言と同じ場で、アメリカ・カナダ・メキシコの貿易協定(USMCA)についても「自分には重要ではない」という趣旨の話が出ました。正直なところ、こうした発言を聞くと、国境やルールがこれまで以上に流動的になっていく未来が、すぐそこまで来ていると感じます。
さらに、GMのCEOが「プラグインハイブリッドは、実際にはあまり充電されていない」と語ったことや、テスラが運転支援機能をサブスクリプションへ移行するという話もありました。どれも共通しているのは、「理想と現実のズレ」をメーカー自身が認め始めているという点です。
こうした流れを見ていると、車はますます“完成した商品”ではなく、“使いながら育てていく存在”になっていくように思います。だからこそ、購入時だけでなく、その後のケアやメンテナンスの価値が見直されているのだと感じます。

SOUPでセラミックコーティングをご相談いただく際、「新車だから必要なんですか?」と聞かれることがあります。私はいつも、「新しい今だからこそ意味があります」とお伝えしています。どの国で作られた車でも、塗装は必ず環境の影響を受けます。紫外線、雨、花粉、黄砂。これは日本に住んでいる以上、避けられません。
その中で、塗装面とコーティングの密着を高めるガスプライマーは、見えないけれど非常に重要な存在です。これは流行りの技術ではなく、「長く守るための下準備」です。世界の自動車市場がどれだけ変わっても、この基本は変わりません。
中国車がアメリカに入り、日本車がさらに進化し、ヨーロッパ車も独自性を磨いていく。そんな時代だからこそ、車を選んだ“その後”に目を向けることが、これからの賢い付き合い方だと思っています。車と暮らす時間を、少しでも心地よいものにする。そのお手伝いを、これからも続けていきたいと考えています。


























