ボルボが語った「電動化の本質」は、実は私たちの仕事にも通じている

こんにちは。徳島でカーコーティング専門店SOUPをやっているオーナーです。今回のボルボCEOの発言、「我々は他社より一歩先にいる。あとは幸運を祈るよ」という言葉を読んで、正直かなり考えさせられました。これは決して挑発的な強気発言というより、長く苦しい試行錯誤を乗り越えた末に出てきた、実感のこもった言葉だと感じたからです。

ボルボは電動化の時代において、クルマを単なる“ハードの集合体”ではなく、「ソフトウェアで定義される存在」として再構築してきました。100以上の制御ユニットを外部に頼って組み上げるのではなく、中央集権型のコンピューターと自社開発のソフトウェアで制御する。この転換は、正直なところ想像以上に大変だったようです。

実際、EX90ではソフトウェアの品質問題が表面化し、ユーザーに負担をかけてしまった。ボルボ自身もそれを隠さず、「本来は社内で苦労すべきだったことが、お客様に影響してしまった」と語っています。この姿勢は、ものづくりに携わる立場としてとても誠実だと感じます。

徳島県美馬市のお客様のボルボ XB420XC XC40に純水手洗い洗車を実施しました。

ここで、私たちSOUPの仕事に話を重ねてみたいと思います。セラミックコーティングも、ただ塗ればいいというものではありません。下地処理、塗装面の状態把握、密着性をどう高めるか。特にガスプライマーのような工程は、「見えない部分」ですが、仕上がりと耐久性を大きく左右します。

ボルボが言う「中央のコンピューターを自社で持つ」というのは、私たちで言えば「施工の根幹を外注せず、自分たちで理解し、責任を持つ」という姿勢に近いものがあります。誰かが作った工程をなぞるだけでは、トラブルが起きたときに本質的な修正ができません。

セラミックコーティングも同じです。なぜ密着しないのか、なぜ剥がれるのか。その答えは表面処理と化学的な結合にあります。ガスプライマーは、その“土台”を整えるための工程であり、いわばボルボが言う中央制御のような存在です。ここが安定すると、その後の工程は驚くほどスムーズになります。

ボルボが「苦しかったが、今は安定した」と語る背景には、見えない部分を徹底的に作り直した時間があります。それは、派手さはないけれど、本質的な進化です。この姿勢こそが、これからの電動化時代、そしてクルマと長く付き合う時代に必要な考え方だと感じています。

遠回りに見える選択が、結果的に一番の近道になる

徳島県美馬市のお客様のボルボ XB420XC XC40に純水手洗い洗車を実施しました。

もう一つ、今回の記事で印象的だったのは、ボルボのエンジニアが「本当はもっと早く始めるべきだった」と率直に語っている点です。これは後悔というより、経験からくる重みのある言葉だと思います。簡単にできるなら、誰も苦労はしません。

電動車両をソフトウェアで定義するというのは、従来の自動車メーカーにとって、文化そのものを変える挑戦です。フォードは途中で断念し、フォルクスワーゲンはいまも苦戦している。その中で、ボルボは失敗を経験しながらも、EX60という次の世代につなげました。

この「失敗を認めて、次に活かす」という姿勢は、私自身、日々の現場で何度も助けられてきました。SOUPを始めた頃、今ほどセラミックコーティングの情報は整っていませんでした。言われた通りに施工して、うまくいかなかったこともあります。そのたびに原因を探り、工程を見直し、ガスプライマーの重要性にも気づいてきました。

正直に言えば、ガスプライマーを使う工程は時間も手間もかかります。省こうと思えば省けます。でも、それをやらない選択は、後で必ずツケとして返ってきます。密着不良、耐久性の低下、結果としてお客様の不満につながる。これは、ボルボが経験した「顧客に影響が出てしまった」状態と、とてもよく似ています。

 

だからこそ、私たちは遠回りに見える工程を選びます。目に見えない部分を整え、土台を安定させる。セラミックコーティングの艶や撥水性能は、その上に初めて意味を持ちます。これは単なる技術論ではなく、「どういう姿勢でクルマと向き合うか」という話だと思っています。

ボルボが語る電動化の未来は、最新技術の話でありながら、実はとても人間的です。うまくいかなかったことを認め、改善し、次に活かす。その積み重ねが、結果として「他社より一歩先」に見えるだけなのかもしれません。

クルマは使われてこそ意味があります。そして、長く安心して使えることが一番大切です。電動車であっても、エンジン車であっても、その考え方は変わりません。SOUPではこれからも、見えない部分を大切にしながら、セラミックコーティングとガスプライマーという“土台づくり”を通じて、クルマとの良い関係を支えていきたいと思っています。

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