マツダロードスターを生んだデザイナー、トム・マタノ氏の遺産

2025年9月20日、自動車デザイン界における大きな存在であったトム・マタノ氏が76歳で逝去されました。マタノ氏は「ロードスターの父」と呼ばれ、多くのクルマ好きにとって心に残るデザインを世に送り出した人物です。マツダ・ロードスター(NA、NB型)、さらには今も多くのファンに愛されるRX-7(FD型)を手掛けた彼の功績は、単なるデザインを超えた「人とクルマの絆」を形にしたものでした。

私自身、カーコーティング専門店SOUPを営む者として、日々お客様の愛車に触れながら思うのは「デザインされた形をどう守り続けるか」ということです。ロードスターをはじめとするマタノ氏の作品は、ボディラインの一つひとつに“優しさ”や“親しみ”が込められており、それは所有者がクルマをガレージに収めるときに思わず笑顔になってしまうような魅力です。その感覚を長く維持するためには、単に磨くだけではなく、セラミックコーティングやガスプライマーのような最新技術で守ることが不可欠だと私は考えています。

 

マタノ氏はもともと日本の成蹊大学で工学を学んだのち、アメリカに渡りカリフォルニアのアートセンターでデザインを学びました。ゼネラルモーターズ、オーストラリアのホールデン、ドイツのBMWなどを経て、1983年にマツダ・ノースアメリカのチーフデザイナーに就任。その後20年にわたり、世界中のマツダデザインを牽引しました。特にロードスターは「人馬一体」という言葉を体現するスポーツカーとして、多くのドライバーに“操る楽しさ”を再確認させてくれました。

SOUPにご来店くださるお客様の中にも、ロードスターやRX-7を大切にされている方が多くいらっしゃいます。皆様が口を揃えておっしゃるのは「このクルマはただの移動手段ではなく、人生の一部」だということです。その思いを支えるために、私たちはコーティング施工においても“ただの保護膜”ではなく、“愛車を未来へ繋ぐ盾”を意識しています。特にガスプライマーは、炎の力でボディ表面を整えることで、塗装面とコーティング剤との密着性を飛躍的に高める技術です。これは、マタノ氏が大切にしていた「人に寄り添うデザイン思想」とどこか通じるものがあると感じます。

デザインの力と、メンテナンスや保護技術の力。この二つが合わさることで、クルマは単なる工業製品を超え、人生の相棒として輝き続けるのです。マタノ氏の遺した言葉「デザインは人間に寄り添い、温かさを持たなければならない」は、私たち施工者にとっても大きな指針です。そしてその精神を守ることこそが、コーティング専門店SOUPの使命だと改めて感じています。

マタノ氏の思想とカーケアの共鳴

トム・マタノ氏のデザイン哲学の中で特に印象的なのは「人間から出発しなければならない」という言葉です。クルマを単なる移動の道具として見るのではなく、人の生活に寄り添い、感情を揺さぶる存在として形づくる。その視点があったからこそ、ロードスターやRX-7は何十年経った今も世界中で愛され続けています。

私がSOUPで施工を行うときも、この「人に寄り添う視点」を大切にしています。セラミックコーティングは単にボディを守るだけの技術ではなく、オーナー様が愛車に触れるたびに「安心感」と「喜び」を得られる体験を支えるものです。例えば新車時の輝きを長く維持できれば、乗り込むたびに誇らしい気持ちになり、愛車と過ごす時間そのものが特別なものになります。マタノ氏が言う「温かく、共感的な解決策」とは、まさにそうした体験を提供することに近いのではないでしょうか。

さらにSOUPの特徴であるガスプライマー施工は、まさにデザインを活かすための下地作りに通じています。炎を用いて塗装表面を熱処理することで、細かい凹凸をならし、セラミックコーティングとの密着性を極限まで高める。これにより塗装本来の艶が一層際立ち、デザインラインがクリアに浮かび上がります。マタノ氏がRX-7 FDを描くときに「筋肉質ではなく、洗い流されるような滑らかさを意識した」と語っていたように、そのラインを美しく表現し続けるためには、表面の仕上がりが決定的に重要なのです。

実際、ロードスターやRX-7のようにボディラインの美しさが命ともいえる車種では、適切なコーティングによって印象が大きく変わります。施工後にオーナー様が「まるで新車以上に艶やかだ」と目を輝かせる姿を見るとき、私はデザインとケアが響き合った瞬間を感じます。デザイナーが心を込めて描いたラインを、私たちが現代の技術で守り続ける。このリレーのような営みがあるからこそ、クルマ文化は次世代に受け継がれていくのだと思います。

徳島県のカーコーティング専門店SOUPにて、新車トヨタ ハリアー(MXUA80)にSystemX Crystal SSとガスプライマーを使用したコーティング施工中の様子。

また、コーティング施工は単に美観を保つだけでなく、実用性の面でもメリットがあります。紫外線や酸性雨、飛び石などからボディを守ることで、塗装ダメージを軽減し、結果的にリセールバリューの維持にもつながります。特にスポーツカーはコンディションが価値に直結しますので、所有する方にとっては「デザインの輝きを守る=資産価値を守る」ことでもあるのです。マタノ氏が「所有者がガレージに入れるとき笑顔になってほしい」と願ったように、私たちもまた、お客様が日々の中でその笑顔を繰り返せるようにサポートしています。

つまり、デザイナーと施工者は異なる立場でありながらも、目指すゴールは同じです。それは「人の心に寄り添い、日常を豊かにするクルマの存在を守り続けること」。SOUPでの仕事を通じて、その使命を果たしていきたいと強く感じます。

未来へ繋ぐデザインとコーティングの役割

トム・マタノ氏の逝去は、自動車業界にとって大きな喪失でした。しかし同時に、彼の残した哲学や作品は、これからの世代にとって強い道しるべになると私は信じています。ロードスターやRX-7が今なお多くのオーナーに愛され続けていることが、その証です。そして私たちのようにコーティングやメンテナンスに携わる者にとっても、彼のデザインは「守り抜く価値のある遺産」として受け継がれています。

未来のカーライフを考えるとき、電動化や自動運転といった技術革新に目が行きがちです。しかし、どれほど技術が進んでも「クルマと人との関係性」という本質は変わりません。むしろこれからは、より一層「所有する喜び」や「愛着を持ち続けられるデザイン」が重要になっていくはずです。そうした中で、マタノ氏のような思想を持つデザイナーの存在は、今後も高く評価され続けるでしょう。

SOUPとして私が大切にしているのは、その「愛着を持ち続けられる時間を最大化すること」です。セラミックコーティングは日々の汚れや小傷から愛車を守り、ガスプライマーは塗装面を最適な状態に整えることで、コーティングの効果を最大限に引き出します。これにより、オーナー様は長い年月を経ても新鮮な気持ちで愛車と向き合えるのです。例えば10年経ったロードスターが、施工によってまるで昨日納車されたかのように艶やかさを取り戻したとき、その瞬間に宿る感動は言葉では表せません。

マツダCX-8、徳島県のカーコーティング専門店SOUPにてコーティングメンテナンスを実施。美しく輝くボディが印象的な仕上がり。

私は日々の施工を通じて「クルマの未来にバトンを渡す」ような感覚を覚えることがあります。親から子へ、あるいは次のオーナーへと受け継がれていくとき、デザインの美しさとボディのコンディションがそのまま引き継がれる。それは単にモノを残すのではなく、デザイナーの想いとオーナーの愛情を次世代に伝えることでもあります。マタノ氏が語った「デザインは人を笑顔にするためにある」という言葉は、そのままSOUPの使命にも重なります。

また、これからクルマを所有される方にお伝えしたいのは、「デザインを守ることは贅沢ではなく必然だ」ということです。特にスポーツカーや趣味性の高い車種は、一台ごとに固有の価値を持ちます。その価値を維持し、未来へと繋げるためには、定期的なケアと適切な施工が欠かせません。セラミックコーティングやガスプライマーは、そのための最も確実な方法であり、愛車を単なる乗り物から「人生のパートナー」へと昇華させるための手段でもあるのです。

トム・マタノ氏の遺したロードスターやRX-7を前にするとき、私は「デザインと技術、そして人の想いが一体となった奇跡」を感じます。そしてその奇跡を絶やさず次の世代へと届けることが、私たち施工者の役割だと強く思います。これからもSOUPは、セラミックコーティングとガスプライマーを通じて、お客様の愛車がいつまでも輝き続けるよう全力でサポートしてまいります。

マタノ氏が最後に残した「デザインは人に寄り添うべきだ」という言葉。その精神を胸に、これからも私たちはクルマと人をつなぐ架け橋として、愛車文化を守り続けていきたいと考えています。

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