フェラーリがBEVに込めた「ルーチェ=光」という考え方

フェラーリが初のフル電動スポーツモデルに与えた名前は「ルーチェ」。イタリア語で“光”を意味するこの言葉を聞いたとき、正直なところ、私は少し安心しました。電動化というと、どうしても「静か」「効率的」「合理的」といったイメージが先に立ちますが、フェラーリはそこに“光”という、とても人間的で感覚的な言葉を選んだ。これは単なるEVではなく、これまでのフェラーリの延長線上にあるクルマなんだ、という意思表示に感じたからです。
今回公開されたのは、車名とインテリア。外観ではなく、まず「人が触れる場所」から見せてきたところも印象的でした。インテリアには「LUCE」のバッジが控えめにあしらわれ、全体の雰囲気は未来的でありながら、どこか温かみがある。デジタル一辺倒ではなく、あえてアナログを残す。その姿勢は、クルマを単なる移動手段ではなく、“対話する存在”として捉えているように見えます。

デザイン開発には、ジョニー・アイブ氏とマーク・ニューソン氏が関わるLoveFromが5年間協業したとされています。長い時間をかけて「触り心地」「視線の動き」「操作したときの気持ちよさ」を突き詰めた結果が、このインテリアに表れているのでしょう。タッチパネル全盛の時代に、あえて物理スイッチを多用する判断も、流行ではなく“体験”を優先した結果だと思います。
ステアリングは1950〜60年代のナルディを再解釈した3本スポーク。再生アルミニウムを使って400g軽くしたという話も、数字以上に「余計なものを削ぎ落とした」という思想を感じます。アナログメーターと液晶を融合したインストゥルメント、ガラスにレーザー加工を施したシフトセレクターなど、派手さよりも“長く向き合える質感”が重視されている印象です。
SOUPで日々クルマと向き合っていると、「新しい=全部デジタル」ではない、ということを強く感じます。塗装も同じで、最新素材を使いながら、最後は人の手と感覚が仕上げを左右します。フェラーリ・ルーチェのインテリアからは、そんな“原点回帰”にも似た誠実さが伝わってきました。
電動でもフェラーリらしくあるために ─ SOUPの現場から思うこと

フェラーリ・ルーチェの話題で、もう一つ心に残ったのが「起動の演出」です。特殊ガラスで作られたキーをセンターコンソールに差し込むと、クルマが目覚めるようにメーターとパネルが点灯する。これを読んで、私は「やっぱりフェラーリは儀式を大事にするんだな」と感じました。電動でも、エンジン音がなくても、ドライバーの気持ちを高める瞬間はちゃんと用意する。その姿勢がフェラーリらしいと思います。
SOUPでは、セラミックコーティングやガスプライマーを扱っていますが、これも少し似ています。ガスプライマーは下地処理の工程で使うものですが、正直、お客様の目にはほとんど見えません。それでも私たちは省かない。なぜなら、その“見えない一手間”が、仕上がりの美しさや耐久性、そして数年後の満足度を大きく左右するからです。
ルーチェのインテリアも同じだと思います。再生アルミを使う理由、物理スイッチを残す理由、アナログとデジタルを融合させる理由。どれも派手なスペック競争ではなく、「このクルマと長く付き合う人がどう感じるか」を考えた結果でしょう。セラミックコーティングも、単に“ツヤが出ます”という話ではなく、洗車のしやすさや、日常でのストレスの少なさまで含めて価値が決まります。
電動化が進むこれからの時代、クルマはますます無音になり、均質化していきます。だからこそ、触ったときの感触、操作したときの確かさ、目に入る質感が、今まで以上に重要になる。フェラーリがBEVでそこを徹底的に磨いてきたことは、私たち現場の人間にとっても、とても共感できる部分です。
ルーチェの最終発表は、2026年5月にエクステリアが公開される予定とのことですが、個人的には「どんな形か」よりも、「どんな空気感をまとっているか」が楽しみです。光という名前を持つフェラーリが、どんな存在感で街に現れるのか。そしてその塗装や素材が、どんな表情を見せるのか。もしSOUPに入ってきたら、きっと下地から丁寧に向き合いたくなる。そんなクルマだと、今は感じています。
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