自動車業界は「競争」から「協調」へ——2026年、日本のものづくりが動き出す

2026年3月、日本自動車工業会(自工会)の会見で語られた内容は、これからの自動車業界の流れを大きく変えるものだと感じました。
これまで各メーカーは、それぞれの強みを武器に競い合ってきましたが、今回の発表では「協調」というキーワードが強く打ち出されています。

トヨタの佐藤会長が語ったのは、「産業として協調すべき領域を意志をもってつくっていく」という考え方です。
これは単なるスローガンではなく、今の世界情勢や市場環境を踏まえた、非常に現実的な判断だと思います。

たとえば現在、自動車業界は大きく3つの波にさらされています。

  • 電動化(EV・PHEV・ハイブリッドの共存)
  • 自動運転・知能化
  • 資源・部品の安定供給問題

このどれもが、一社単独で解決できるレベルを超えています。
特にアルミなどの素材は中東に依存している割合が高く、今回の会見でも「約7割を依存している」という発言がありました。
つまり、世界情勢ひとつで、日本のクルマづくりそのものが止まるリスクを抱えているということです。

こうした状況の中で、自工会が掲げた「7つの課題」は非常に現実的です。

  • 重要資源・部品の安全保障
  • マルチパスウェイ(多様な動力)の社会実装
  • サーキュラーエコノミー
  • 人材基盤の強化
  • 自動運転前提の交通システム
  • 自動車税制の改革
  • サプライチェーン全体の競争力向上

ここで大切なのは、「理想論で終わらせない」という姿勢です。
会見では「出口を見据える」「社会実装までやり切る」という言葉が繰り返されていました。
つまり、会議の中だけで終わる話ではなく、実際の社会にどう落とし込むかが問われているということです。

これは、現場で仕事をしている僕たちにとっても非常に共感できる話です。
どれだけいい理論や技術があっても、お客様の目の前で価値として感じてもらえなければ意味がありません。

そしてもうひとつ印象的だったのが、「多様性を強みにする」という考え方です。
日本の自動車産業は、メーカーだけでなく、部品メーカー、素材メーカー、販売店、整備工場など、非常に幅広い層で成り立っています。

この構造は一見バラバラにも見えますが、見方を変えれば「圧倒的な強み」でもあります。
それぞれの現場が持つ技術や知識をうまくつなげることができれば、世界に対して大きな価値を提供できるはずです。

ただし、そのためにはスピードが求められます。
ホンダの三部副会長も「日本の自動車産業は瀬戸際にある」と語っていましたが、これは決して大げさではありません。

EVシフトを進める欧米、中国の急成長、そして原材料リスク。
このすべてが同時に押し寄せている今、日本がどう動くかで未来は大きく変わります。

今回の会見は、その「方向性」をはっきりと示したものだと感じました。
競争だけではなく、協調することで全体の力を引き上げる。

この考え方は、自動車業界だけでなく、これからの日本のものづくり全体に通じるテーマなのかもしれません。

「守る技術」こそが価値になる時代へ——現場から見える次の自動車産業

今回の自工会の会見を見ていて、もうひとつ強く感じたことがあります。
それは「つくる力」だけでなく、「守る力」の重要性がこれから一気に高まっていくという流れです。

自動車業界はこれまで、新しい技術や性能の進化にフォーカスされがちでした。
しかし今は、資源不足や物流の不安定さ、そして車両価格の上昇といった背景から、「今あるものをいかに長く、良い状態で使うか」という価値が急速に見直されています。

これは、現場に立っていると肌で感じる変化です。

たとえば、以前であれば「数年で乗り換える」という考え方が主流でしたが、最近では「長く乗る前提でしっかり守りたい」というご相談が明らかに増えています。

ここで重要になってくるのが、セラミックコーティングの役割です。

セラミックコーティングは単なる艶出しではなく、

  • 紫外線や酸性雨から塗装を守る
  • 汚れの固着を防ぐ
  • 洗車キズのリスクを軽減する
  • 長期的に美観を維持する

といった、「塗装を守るための基盤」となる技術です。

さらに、SOUPで大切にしているのが「ガスプライマー」という下地処理です。

これは簡単に言うと、塗装面とコーティングの密着を高めるための土台づくりです。
どれだけ高性能なコーティング剤を使っても、この下地が整っていなければ、本来の性能は発揮されません。

自動車産業で言われている「サプライチェーン全体での競争力向上」という考え方に、とてもよく似ていると感じています。

つまり、一部だけを強くしても意味がなく、全体として整って初めて価値になるということです。

 

クルマも同じです。

エンジンやバッテリーが進化しても、ボディの状態が悪ければ、その価値は大きく下がってしまいます。
逆に、外装がしっかり守られている車は、年数が経っても「大切にされてきた車」として評価されます。

これからの時代は、こうした「見えない価値」がより重要になっていくはずです。

また、自工会が掲げている「サーキュラーエコノミー(循環型社会)」という考え方とも、セラミックコーティングは非常に相性が良いと感じています。

車を長く使うことは、結果として資源の消費を抑えることにつながります。
新品をどんどん作るのではなく、今あるものを大切に使い続ける。
そのための手段として、コーティングは確実に価値を持ち始めています。

さらに言えば、日本の強みである「丁寧なものづくり」や「細部へのこだわり」は、この分野でこそ生きてきます。

自動車メーカーが世界と戦う中で、僕たち現場もまた、別の角度から価値を積み上げていく必要があります。

ただ車を売る、ただ修理する、ではなく、
「その車の価値をどう守るか」

ここに向き合うことが、これからの時代の大きな差になると感じています。

今回の会見は、一見すると業界全体の話に見えますが、
実は現場レベルの仕事にも深くつながっている内容でした。

クルマの未来は、技術だけで決まるわけではありません。
それをどう使い、どう守り、どう価値として残していくか。

SOUPとしても、この流れをしっかりと捉えながら、
一台一台に向き合っていきたいと思います。

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