40年の時を越えて蘇った、三菱パジェロと「守る」という価値

三菱が1985年、初めてダカールラリーを制したパジェロ。その実車が、40年近い時を経てようやく本格的にレストアされたというニュースを見て、正直なところ胸が少し熱くなりました。今でこそ三菱といえば静かなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、かつての三菱は本気で世界一過酷なラリーに挑み、そして勝っていたメーカーでした。

その記念すべき初優勝車両は、ラリー後すぐにヒーローとして扱われたわけではなく、日本・岡崎の研究施設でほぼ手付かずのまま保管されていたそうです。雨風にさらされることはなかったとはいえ、40年という時間は決して短くありません。それでも大きな致命傷がなく、最低限のオーバーホールで再び命を吹き込めたという事実に、「素材の強さ」「当時の設計思想」の凄みを感じずにはいられません。

ダカール当時のパジェロは、量産車ベースでありながら、前後重量配分を考えたアクスル配置、軽量化のための複合素材パネル、リーフスプリングを捨てた3リンク式リアサスペンションなど、今見ても本気の作りでした。速さだけでなく、壊れないこと、走り切ることを最優先した思想。だからこそ、40年後でも「直せばまた走れる」状態を保っていたのだと思います。

徳島県三好市のカーコーティング専門店SOUPで施工中のミツビシ CV1W デリカD:5。 SystemX Crystal SSセラミックコーティングの下地処理として、徹底した洗浄と研磨でボディ本来の輝きを引き出す。

SOUPで日々車と向き合っていると、「走るための性能」と同じくらい「守るための考え方」が大切だと感じます。ダカールを走り切ったパジェロがそうであったように、どんなに優れた性能も、環境や時間から守られなければ価値を保ち続けることはできません。このレストアのニュースは、単なる懐古ではなく、“守ってきたからこそ今がある”というメッセージにも見えました。

車は使われ、走り、そして傷つきます。それは決して悪いことではありません。ただ、その傷みをどう受け止め、どう次の世代へ繋げるか。40年前のパジェロが今なお語りかけてくるのは、そんな静かな問いかけなのかもしれません。

セラミックコーティングとガスプライマーが支える、これからの「残し方」

今回レストアされたパジェロは、ダカールで刻まれた凹みや擦り傷をあえて残したまま仕上げられています。新品同様に戻すのではなく、歴史を背負った姿として蘇らせる。その判断に、ものづくりへの誠実さを感じました。私たちがSOUPでコーティングを施工する際も、常に「新しく見せること」だけが正解だとは考えていません。

大切なのは、その車が歩んできた時間を尊重しながら、これからの時間をどう守るかという視点です。そこで重要になるのが、塗装表面だけでなく“下地”から考える施工です。セラミックコーティングは、単なる艶出しではなく、紫外線、酸性雨、鉄粉、汚れの固着といった日常的なダメージから塗装を守るための防御層です。

さらにSOUPでは、塗装とコーティングの密着性を高めるためにガスプライマーを取り入れています。これは、表面をただ覆うのではなく、塗装そのものとしっかり結びつけるための工程です。ダカールを走り切ったパジェロが「素材と設計」で耐え抜いたように、現代の車は「施工の質」で寿命が大きく変わる時代だと感じています。

 

三菱が40年越しにパジェロを丁寧に扱い直したように、車は適切なタイミングで、適切な手当てをしていれば、確実に応えてくれます。今後登場すると言われているオフロード志向のアウトランダーも含め、現代のSUVは電子制御や複雑な塗装構造を持つ分、早い段階での保護がより重要になります。

私自身、車は単なる移動手段ではなく、時間と記憶を積み重ねる存在だと思っています。だからこそSOUPでは、「今をきれいにする」だけでなく、「10年後、20年後も語れる状態を残す」ことを大切にしています。40年前のパジェロが今なお語られているように、あなたの愛車も、正しく守れば未来に価値を残せる一台になります。そのお手伝いができることが、私たちの仕事です。

関連するコラム