米国自動車産業が迷い始めた理由と、現場で感じる違和感

こんにちは。徳島でカーコーティング専門店SOUPを営んでいます。
日々、国内外のクルマの動向を追っていると、「いま、アメリカの自動車産業はどこへ向かっているのだろう」と感じる場面が増えてきました。

2026年のデトロイトオートショーで、元アメリカ運輸長官のピート・ブティジェッジ氏が語った言葉は、その違和感をはっきり言語化したものだったように思います。
「この1年で製造業の雇用は明らかに後退している」「自動車メーカーは、背中を押してくれる政策を必要としている」――現場を知る人の率直な言葉です。

表向きは“国内産業を守る”というメッセージが強調されながら、実際には投資も雇用も伸び悩む。
その一方で、中国は環境対策を「理想論」ではなく「経済安全保障」として捉え、淡々と次の手を打ち続けている。
この差は、外から見ていてもはっきり感じ取れます。

私はクルマを「商品」としてだけではなく、「長く使い続ける道具」として見ています。
アメリカ車も、中国車も、そして日本車も、結局は“どこで、どんな思想で作られたか”が、数年後の品質や価値に表れてきます。

たとえば最近、アメリカ市場向けの車両を見ていて感じるのは、「短期的な正解」を追い過ぎているような危うさです。
EVへの巨額投資、しかし市場は追いつかない。結果として20億ドル規模の評価損を計上したフォードの判断も、現実を直視した結果でしょう。

トヨタ MXWH60 プリウスへ、徳島県三好市のカーコーティング専門店SOUPがボディ状態に合わせたコーティングメンテナンスを実施。 蓄積した汚れや劣化因子を除去し、コーティング専用ローションで深い艶と透明感のある上質な外観へリフレッシュ。

SOUPに入庫する輸入車を見ていても、設計思想のブレは塗装や素材の扱いに表れます。
表面はきれいでも、下地が安定していない車両は、どんなに高性能なセラミックコーティングを施工しても、本来の耐久性を発揮しません。

だからこそ、私たちは施工前にガスプライマーで塗装表面の状態を整えます。
それはクルマづくりと同じで、「土台が整っていないまま先へ進むと、必ず歪みが出る」ことを、現場で何度も見てきたからです。

アメリカの自動車産業がいま直面しているのは、まさにこの“下地づくり”の迷いではないでしょうか。
方向性が定まらないまま走り続けると、どれだけ技術があっても、疲弊してしまう。そんな印象を受けています。

自動化と分断の時代に、クルマの価値をどう守るのか

私が目にしたニュースでは、もう一つ興味深い話題がありました。
「2030年までに、完全自動化された車両組立ラインがアメリカか中国で実現する可能性が高い」という予測です。

ロボットだけでクルマを作る時代。効率だけを考えれば、理にかなっているように見えます。
しかし私は、そこに少しだけ不安も感じています。

というのも、SOUPで扱うクルマは、どれも“人が使い続けてきた痕跡”をまとっているからです。
洗車キズ、紫外線による劣化、保管環境の違い。
そうした一台一台の個性は、マニュアル化された工程では決して拾いきれません。

BMWのCTOが語った「ハードとソフトを分離できる企業が有利になる」という言葉も象徴的です。
地政学リスクによって、同じ車両でも市場ごとに“中身を書き換える”必要が出てくる時代。
クルマはますます複雑になっていきます。

だからこそ、私たちユーザー側、そして施工する側は「変わらない価値」を意識する必要があります。
それが、ボディ表面を守るという行為です。

 

セラミックコーティングは、流行のためのものではありません。
塗装というクルマの“外皮”を安定させ、環境変化から守るための技術です。
そしてガスプライマーは、その効果を最大限に引き出すための下地づくりです。

世界が分断され、技術が加速し、クルマの作られ方が変わっても、
「大切に扱われた一台は、必ず長く美しさを保つ」――この原理は変わりません。

アメリカの自動車産業が揺れている今だからこそ、私たちは足元を見直すべき時期なのかもしれません。
目新しい技術に振り回されるのではなく、クルマの本質的な価値をどう守るのか。

SOUPでは、これからも一台一台と向き合い、
流行や政治とは少し距離を置きながら、「長く乗るための選択肢」を丁寧に伝えていきたいと考えています。

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