ホンダが示した“本物志向”の未来──NSX再生プランから見えるクラシックカーとの向き合い方

2025年春、ホンダが発表した「Genuine Compatible Parts(純正互換パーツ)」の供給開始というニュースは、NSXをはじめとする名車を愛するすべてのオーナーにとって、大きな希望となりました。私たちコーティング専門店SOUPのように、クルマの価値を守る仕事に携わる者にとっても、これは見逃せない動きです。

この取り組みは、1993年から続いていた「NSXリフレッシュプラン」の終了と引き換えにスタートするもので、第一世代のNSXを中心に、製造中止となった部品の供給を持続可能な形で実現することが目的です。ここで注目すべきは、「純正」と「社外品」の中間に位置づけられるこの新しいカテゴリーの部品が、信頼性と供給力の両立を目指している点です。

具体的には、ホンダが認定したサプライヤーとの連携や、古い部品のリマニュファクチャリング(再製造)、さらには3Dプリンターを活用した高精度なパーツ製造など、技術革新を駆使して実現されるとのこと。これは単なるレストア支援に留まらず、未来のクラシックカー文化の継承に向けた意志表明にも感じられます。

私たちSOUPでも、過去に施工させていただいたNSXのボディメンテナンスにおいて、「新車以上の仕上がりを」とご要望いただいたことがあります。そうしたオーナーの期待に応えるには、ボディやパーツの美観だけでなく、車両全体のコンディション維持も大切です。その意味で、このホンダの動きは、セラミックコーティングの重要性を再認識させてくれます。パーツが新しくなっても、表面の保護が疎かでは意味がありません。だからこそ、再生されたパーツと同様に、コーティングによる保護も“本物志向”であるべきなのです。

徳島県内でもNSXを大切に維持されているオーナー様は少なくありません。今回のプログラムにより、今後さらに整備やレストアの相談が増えてくることが予想されます。そのとき、外装の保護という観点から、SOUPが担える役割は確実に大きくなるでしょう。セラミックコーティングによって、復元されたNSXの美しさと機能を長期にわたって保持することができるのです。

クラシックカーに対して真摯に向き合い、技術と情熱で時代を超えたサポートを提供する──ホンダのこの姿勢は、私たちの仕事にも通じる精神です。SOUPでは、今後もこうした取り組みを注視し、施工面での最善を追求してまいります。

 

“純正互換パーツ”が拓くレストアの未来──3Dプリントと職人技の融合

今回のホンダの発表でもうひとつ特筆すべきは、「Genuine Compatible Parts」の製造手法にあります。従来のような大量生産による純正パーツの供給ではなく、必要な部品を必要な分だけ、3Dプリンターやリマニュファクチャリング技術で再生するというこの方式は、まさに現代的なモノづくりの象徴です。

すでに一部のクラシックカー愛好家の間では、廃盤となったパーツを逆エンジニアリングによって再現する動きが盛んでした。そこにホンダという大手メーカーが本格的に参入したことで、今後のクラシックカーのパーツ供給のスタンダードが塗り替わる可能性すらあります。しかもこの施策、対象となるのはNSXだけに留まりません。将来的には、インテグラタイプRやS2000といったスポーツモデルへと拡大される予定とのこと。こうした姿勢には、技術だけでなく情熱すら感じさせられます。

そして、こうした車両の再生やレストアが進むことで注目されるのが、ボディの仕上がりとその維持です。部品が新たに再製され、車両全体が“再び命を吹き込まれる”ような状態になれば、外装の美しさを守るケアがより一層重要になります。

ここで改めてご紹介したいのが、私たちSOUPで提供しているセラミックコーティングです。例えば、再塗装や補修を終えたばかりのNSXに施工することで、その塗装を傷や紫外線、酸性雨などから長期間にわたって守り、艶やかで深みのあるボディを保つことが可能になります。特にこのような希少車の場合、保管環境が屋内であっても湿気や埃、わずかな擦れがダメージに繋がりやすいため、施工後の保護性能は極めて重要です。

徳島県のカーコーティング専門店SOUPにて、新車ホンダ ヴェゼル (RV5)にSystemX Crystal SSとガスプライマーを使用したコーティング施工中の様子。

また、SOUPでは施工前に「ガスプライマー処理」を取り入れており、これが密着性と耐久性を格段に向上させています。レストア済みのNSXのような“資産”を扱う上で、こうした下地処理へのこだわりが仕上がりの差となり、最終的にはオーナー様の満足度とリピート率に直結するのです。

レストアという“再生”の価値と、セラミックコーティングによる“維持”の価値。そのどちらも、クラシックカーオーナーにとっては欠かすことのできない選択肢です。ホンダの動きが呼び水となり、他メーカーでも同様の動きが活発になれば、これからの日本の旧車文化はさらなる成熟を迎えるでしょう。

NSXから広がる可能性──次世代レストア文化とSOUPの役割

今回ホンダが展開する「Genuine Compatible Parts」およびリフレッシュサービスは、現時点ではNSXを中心としたものですが、今後はタイプRシリーズやS2000といった他のスポーツモデルへの拡大が検討されています。この発表により、クラシックホンダのオーナーたちの期待は一気に高まりました。特に、部品供給の終了により整備をあきらめていた方々にとっては、再び愛車と向き合うチャンスが到来したとも言えるでしょう。

実際、私たちSOUPにもすでに「S2000を今のうちにコーティングしておきたい」というご相談が増えてきております。これは単なる施工の話ではなく、オーナー様の“もう一度、このクルマと未来を走りたい”という強い想いの表れです。そのような気持ちに応えるためにも、私たちはボディの美観を保つだけでなく、その価値を長く守るという視点を持って取り組んでいます。

クラシックカーというものは、時間とともに価値を増す存在です。塗装も内装も、時には部品の一つひとつまでもが“味”として評価されることもあります。しかし、紫外線や酸性雨、花粉、黄砂といった日本特有の外的ダメージは、美しさだけでなく車両そのものの保存性に大きく影響を及ぼします。だからこそ、SOUPのセラミックコーティングは、ただの保護手段ではなく、車両価値を支える「投資」として機能するのです。

さらに、今回のホンダのような取り組みが広がることで、「本物を大切に残していく」という価値観が、より多くの人に共有されていくことでしょう。旧車に対する社会的な見方が変われば、保険、査定、流通といった周辺の市場も変化し始めます。そのとき、車両の保護メンテナンスを担う専門店として、私たちSOUPが果たす役割はますます重要になると確信しています。

今後、S2000やタイプR、あるいはホンダ・ビートなどがこのプログラムに加わるなら、SOUPではそれぞれのモデル特有の塗装特性や経年変化に合わせた専用のコーティングメニューも検討してまいります。例えばビートのような軽量オープンカーでは、樹脂パーツや幌の保護も視野に入れたコーティング設計が必要になるでしょう。

クラシックホンダを愛するすべての方々へ。車両の再生とともに、その価値を「守る」手段として、SOUPのセラミックコーティングをぜひご検討ください。復元されたエンジン、蘇ったパーツ、そして守られるボディ。そのすべてが揃ってこそ、真の意味で“名車”は輝きを放ち続けるのです。

私たちはこれからも、愛車と共に歩むオーナー様のパートナーとして、その想いに応える施工と提案を続けてまいります。

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