映画『ワイルド・スピード』シリーズにおいて、ブライアン・オコナーはただのドライバーではありません。潜入捜査官、逃亡者、そして家族を守る父として、状況に応じて最適なマシンを選び抜き、そのハンドルさばきで観客の心を掴み続けてきました。このコラムでは、彼が実際にハンドルを握った車を一台ずつ掘り下げ、独自視点のランキングで網羅的に解説します。
 

ブライアンの“車選び”に通底する三原則

  • 用途最適化:潜入・逃走・護衛。シーンの目的ごとに車種を使い分けます。
  • 操縦一貫性:FF・FR・AWD問わず、ブレーキングから荷重移動まで“同じ手”で制御します。
  • 信頼性+即応性:派手さよりも「今この瞬間に結果が出る」セットアップを優先します。

つまり、ブライアンはいつだって“勝つためのクルマ”を選び抜いてきました。以下、各車の劇中機能・演出効果・ドライビング文法を噛み砕いて解説します。

第23位 クライスラー・タウン&カントリー(ワイルド・スピード7)

ミニバンに乗るブライアンは、ファンにとって衝撃でした。ですが、これは彼が「守るべきもの」を優先する新章への宣言でもあります。ハイパワーではない、見せ場も少ない――それでも家族の安全と生活のリアルを映し出す一台として存在意義は十分です。

映画的には抑えたトーンですが、“チューニング=正義”ではないというメッセージが潜んでいます。人生のフェーズが変わってもハンドルから手を離さない、その覚悟の証として記憶に残ります。

第22位 ダッジ・ステルス(ターボチャージド・プレリュード)

短編で登場するダッジ・ステルスは、のちのR34入手に向かう“つなぎ”の役割を担います。カメラの尺は短く、魅せ場は控えめ。それでも、ブライアンが車歴の中で「何を選び、何を手放していったか」を語る端緒として重要です。

のちに到達する“青い神話(R34)”と対比して、ステルスは選び直しの基準点でした。彼は常に、次の一手に最適化するのです。

第21位 アルファロメオ・ジュリエッタ(ワイルド・スピード6)

滑走路シークエンスで一瞬だけ現れるジュリエッタ。劇中の役割は極小ですが、軽量なFFハッチの機動性と回避性能を示す“小道具”として機能します。ブライアンはここでも状況に対し最短手を打ち、次のアクションへの橋渡しをしています。

イタリアン・ハッチの情緒と、瞬間的な判断で切るライン取り。短い登場時間に“走りの文脈”を凝縮しているのがブライアン流です。

第20位 ダッジ・チャージャー PPV(ワイルド・スピード MEGA MAX)

警察用PPVのチャージャーは、重厚なトルクと制動装置で“追う・塞ぐ”に向いたプラットフォームです。ブライアンはこの性格を理解し、直線加速よりライン封鎖に活かします。派手ではないが、戦術的には合理的。これが彼の強さです。

ドムのチャージャーが“象徴”なら、ブライアンのPPVは“戦術”。役割に徹するドライビングが光ります。

第19位 日産 GT-R(R35)|ワイルド・スピード MEGA MAX

登場は短く、仕様も控えめ。それでもR35は四駆+デュアルクラッチの総合力でシーンの骨格を締めます。ブライアンがR35に求めたのは“圧倒”ではなく“確実”。必要十分のリザルトを残して消える、まさに職人芸です。

「もっと見たい」――そう感じさせる余白も、映画的価値。引き算の美学が効いています。

第18位 BMW M5(E60)|ワイルド・スピード6

V8ツインターボの“超実力派”ですが、群像の中でキャラが埋もれがち。ブライアンはここでも過度に誇示しません。路面変化に対する安定性・高速域の追従性を買い、任務遂行に徹します。

ドイツ流の機能美を、「やりすぎない操縦」で魅せる。それもまた上級者のドライブです。

第17位 スバル インプレッサ WRX STI(GH)|ワイルド・スピード7

飛行機からの投下シーンは、現実離れしているからこそ燃えます。GH型は歴代WRXの中でやや地味と言われますが、AWDのトラクションと姿勢変化の少なさが“空からの着地”に説得力を与えます。

やり切る覚悟と、車両特性の読解力。無茶を成立させる“理詰め”がブライアンの真骨頂です。

第16位 日産 GT-R(R35|油圧サスペンション)|ワイルド・スピード7

油圧サスで車高を落とし、トラック下をくぐるギミックは、まさに映画の魔法。ここでブライアンは“機械への理解”を戦術へ昇華します。速さだけでは勝てない。勝敗を分けるのは発想と準備だと示します。

GT-Rは“速い車”ではなく、“勝つための道具”。その再定義を平然とやってのけるのがブライアンです。

第15位 日産 GT-R(R35 Bensopra)|ワイルド・スピード6

出番は短いのに、Bayside BlueとBensopraキットで画面を撃ち抜きます。これは“存在自体が語る”車両演出。チューニング文化へのリスペクトを、凝縮ショットで刻み込む手法です。

「わかる人には刺さる」――その確信犯的配置が、シリーズの厚みを生んでいます。

第14位 フォード F-150 SVT ライトニング|ワイルド・スピード

名セリフ「I like the tuna here.」とセットで記憶される一台。初期ブライアンの“日常の仮面”を演じる道具として機能します。抑制されたトーンが、のちの爆発へ向けた“溜め”になるのです。

ストリートに生きるなら、派手さだけが正義ではありません。匂いのする生活圏を背負った車は強いです。

第13位 ダッジ・チャージャー SRT-8|ワイルド・スピード MEGA MAX

金庫強奪で都市を引きずる狂気のシーン。ブライアンのSRT-8は「暴れるが、壊さない」という冷静さで、ドムとの差異を際立たせます。ここには、彼の戦術家としての側面が色濃く表れています。

破壊の中に残す余白。それが次の手を生むと彼は知っています。

第12位 スバル インプレッサ WRX STI(GH)|ワイルド・スピード

「10秒カー」の会話に象徴される、ブライアンとドムの関係性再確認のシーン。ここでのWRXは絆を運ぶ車です。性能やチューニングより、言葉を運ぶ“器”としての車の役割が光ります。

彼らはいつだって車で語り、車で許し、車で前に進みます。

第11位 シェビー・カマロ Yenko SYC|ワイルド・スピードX2

“アメ車は似合わない”――その先入観を壊すのがブライアンです。Yenkoは直線だけのマシンではありません。彼は古典的マッスルを現代的ライン取りでねじ伏せ、最後には船へ飛び移る無茶を成立させます。

異文化を乗りこなす柔軟性。これもまた、ブライアンの武器です。

第10位 日産スカイライン GT-R(R34)|ワイルド・スピード9

空席の椅子、そして車道から入ってくるブルーのR34。わずか数秒で、観客はすべてを理解します。ここでのR34は物語をつなぐ“存在証明”。画面に映るだけで、シリーズの血流が戻ってくるのです。

車が人を語り、人が車を語る。ワイスピが愛され続ける理由がここにあります。

第9位 ポルシェ 911(996)GT3 RS|ワイルド・スピード MEGA MAX

“王者の器”であるGT3 RSですら、作戦に合わなければ外す――ブライアンの判断はブレません。ここで描かれるのは、車格より任務という冷徹な現実。美しく速いが、今回の勝ち筋ではない。それを見切る目が一流です。

勝者は、選ばない勇気も持っています。

第8位 日産スカイライン GT-R(R34)|ワイルド・スピード

ストリート、ドラッグ、輸送、そして破壊。R34はブライアンの浮沈を一身に受け止める“運命共同体”でした。VR38流用ターボのギミックは、技術への目配せでもあります。

名車の最期は、名場面の引き金になる。これはワイスピの、そしてブライアンの美学です。

※撮影用にはGT-Tベースのモックアップも使用されていますが、物語上の“役割”は正真正銘のGT-Rそのものでした。

第7位 トヨタ・スープラ(A80|白)|ワイルド・スピード7

ドミニクのチャージャーと並走し、分かれ道で別れる白のスープラ。実車はポール・ウォーカーの所有個体とされ、画面の外の現実が物語に重なります。ここでのスープラは「さよなら」と「ありがとう」を運ぶ船です。

技術やスペックを越えた価値。車は、記憶を運ぶ装置であることを思い出させます。

第6位 日産スカイライン(KPGC10|ハコスカ)|ワイルド・スピード MEGA MAX

短い登場でも空気が変わる。それがハコスカです。クラシック直6の鼓動は、日本車文化の源流を世界に見せます。ブライアンはここで“速さ”より“意義”を運転しました。

もし出番が長ければ――そんな妄想だけで、ご飯が進む一台です。

第5位 フォード・エスコート RS1600(Mk1)|ワイルド・スピード6

崩落する橋からのジャンプは、視覚的カタルシスの極み。軽量FRにラリースペック、機械式LSDと短いホイールベースが空中姿勢の安定と着地後の姿勢立て直しに寄与します。古典の美徳を、現代のアクションで再翻訳した名演です。

青白のラリーカラーが空を切る――あのカットだけで“映画の勝ち”が決まります。

第4位 三菱ランサーエボリューションVII(CT9A)|ワイルド・スピードX2

派手なイエローの塗装に目を奪われがちですが、本質はAYC系の旋回性と4WDの抜けの良さです。ブライアンはここで“無視運転”を披露し、「視点移動と車両コントロールは独立できる」というプロの文法を魅せます。

スープラやR34の陰に隠れがち。それでも、走りの説得力は一級です。

第3位 三菱エクリプス(緑)|ワイルド・スピード

「Danger to Manifold」で世界がざわついた導入の一台。NOSの扱いを誤れば壊れる――速さには代償があることを、作品最初期で強烈に刻みました。ここからブライアンの“選び直し”が始まります。

爆発的な初登場、退場、残る爪痕。映画の呼吸を作った功労者です。

第2位 トヨタ・スープラ(A80|オレンジ)|ワイルド・スピード

錆びたボディがレストアで蘇り、フェラーリを軽々と喰う。直6ターボ+Targaの強烈なキャラクターは、ストリートの夢そのものです。ラストでドミニクに鍵を渡す瞬間、車は“借り”を返す手段から、友情の証明へと変わります。

名車は速さ×文脈で神話になります。A80はその代表例です。

第1位 日産スカイライン GT-R(R34|2 Fast 2 Furious)

シルバー×ブルーのストライプ、アーリー2000sの空気、そして完璧なカメラワーク。登場時間は長くないのに、文化的インパクトは圧倒的です。跳ね橋ジャンプ、EMP被弾――短命でも“顔”になれることを証明しました。

R34は、車が単なるスペック表から解き放たれ、時代のアイコンとして機能する瞬間を生みました。これを1位に置かずに何を置くのか。

ブライアンの車遍歴が教えてくれること

  • 速さは手段、物語が本質:名シーンは必ず“なぜその車か”に理由があります。
  • 勝つために選ぶ:車格に酔わず、ミッションを最優先します。
  • 車は感情を運ぶ:別れも、約束も、希望も。車が媒介だから響きます。

映画みたいに、あなたの愛車を“伝説の一台”へ。SOUPのセラミックコーティング

名車はスクリーンの中だけではありません。現実でも正しい下地処理高密着セラミックコーティングで、塗装は深く艶やかに、しかも長期間その状態を保てます。SOUPでは、研磨の段階設計(肌調整→微粒子仕上げ)から、ガスプライマーによる密着ブースト、そしてトップコートのレイヤリングまで、すべてを一貫管理いたします。

 

  • 紫外線・酸性雨・鳥糞・鉄粉から塗装を防御
  • 洗車時の撥水・排水性が向上し、汚れ離れが良好
  • 淡色・濃色・メタリック・ソリッド各色で最適化レシピを適用
  • バイクコーティングやホイール単体、内装保護(レザー)にも対応
  • 代車無料プラン(最長2週間・要予約)をご用意

徳島・四国で本気の艶と耐久を求めるなら、どうぞ私たちにお任せください。ご予約はこちらからどうぞ。

関連するコラム