世界的な販売減に直面するボルボと、その背景にある現実

2025年のボルボは、正直なところ試練の年と言わざるを得ません。世界的な販売台数は今年に入り7か月連続で前年割れ。7月だけで前年同月比14%減、6月と5月もそれぞれ12%減と、数字だけ見ても「下り坂」を走っているのが明らかです。上半期だけで世界全体で10億ドル以上の損失を計上しており、このブランドの将来に不安を抱く人も少なくありません。

北米市場での救世主になり得るXC60は、ブランド史上最も売れたモデルとなりましたが、生産をアメリカ・サウスカロライナ州のリッジビル工場で開始できるのは2027年から。さらにXC90はその翌年の2028年に追加予定です。つまり、今から2年以上も待たなければ、関税の影響を回避した本格的な現地生産モデルが市場に出てこないということです。これは、変化のスピードが早い自動車業界においては非常に長い時間です。

さらに電動化の旗艦モデルであるEX90は、発売直後から品質面で厳しい評価を受けています。Consumer Reportsの指摘によれば、3列目シートがモーターの過熱で折りたためない、停車中にブラインドスポット警告が誤作動する、オーディオが突然無音になるなど、プレミアムSUVとしてはあってはならない初期不良が報告されました。これではブランドイメージの毀損は避けられません。

私はSOUPで多くの輸入車のオーナー様に接してきましたが、この手の品質問題は「乗り味」や「性能」よりも深刻に感じられる場合があります。高級車に乗るお客様は、日々の細部の仕上がりや安心感を非常に重視します。だからこそ、我々が提供するセラミックコーティングガスプライマー処理のように、長期的な美観維持と保護性能を確実に提供するサービスが支持されるのです。

 

セラミックコーティングは見た目の美しさだけでなく、紫外線・酸性雨・微細な鉄粉から塗装を守ります。そして、その性能を最大限引き出すために欠かせないのがガスプライマー処理です。塗装面の微細な汚染や油分を除去し、分子レベルで密着性を高めることで、コーティングの耐久性が格段に向上します。ボルボのように北欧デザインと安全性で評価されるブランドこそ、こうした下地処理から仕上げまで丁寧に行う価値があるのです。

もし今、ボルボのように長期的な計画を立てつつも「待ち」の時間が発生している企業やオーナーがいるなら、その間にできることは一つです。製品やサービスの品質を根本から磨き直すこと。そして、それは自動車メーカーだけでなく、我々コーティング業界にも同じことが言えます。販売や利益の数字は一朝一夕で改善しませんが、日々の仕上げ一つでお客様の信頼を積み重ねることはできます。

EX30と電動化戦略の課題、そして「適材適所」という発想

ボルボがもう一つの希望として投入したコンパクトEV「EX30」も、決して順風満帆ではありません。今年ようやくディーラーに並び始めたものの、当初の発表価格より約1,000万円高くなっており、購入を検討していた顧客層には少なからず衝撃を与えました。加えて、一部機能に不具合が報告されており、これまで築いてきた「堅実で信頼できるブランド」というイメージに小さくないヒビを入れています。

さらに厳しいのは電動化の進捗です。2025年1月から7月までのグローバル販売データによれば、完全EVの販売台数は前年同期比で23%減。これに対し、プラグインハイブリッド(PHEV)は1%未満の減少にとどまり、ガソリン車やマイルドハイブリッドも7%減で踏みとどまっています。この数字が示すのは、現段階で市場が求めているのは「100%EV一択」ではなく、使い勝手や価格バランスを考慮した選択肢だという現実です。

私は日々、SOUPでさまざまなオーナー様と話をしますが、クルマ選びもコーティング選びも、この「適材適所」が非常に重要だと感じます。例えば、週末ドライブ主体のガレージ保管車と、毎日通勤で使う屋外駐車の車両では、最適なコーティングの種類もメンテナンス頻度もまったく異なります。

EX30のようにコンパクトで街乗り中心の車であれば、短時間で硬化するセラミックコーティングの施工と、年1回のトップコート追加で十分な保護性能を確保できます。一方、長距離移動が多く、高速道路や山道を走る機会が多い車には、飛び石や塩害に強い厚膜タイプを提案することもあります。いずれも、施工前にガスプライマー処理を行うことで密着力を最大化し、耐久性と艶感が格段に向上します。

ボルボが今直面しているのは、「理想の未来像」と「現実の市場ニーズ」とのズレです。そしてこのギャップを埋めるには、製品を単に投入するだけでなく、顧客ごとに最適化された提案を行う必要があります。コーティングの世界でも同じで、「全員に同じプラン」を押し付けるのではなく、お客様の使い方、駐車環境、好みを聞き取り、それに最も合う提案をすることが信頼獲得の近道です。

結局、ブランドの再生も、クルマの美観維持も、「現状把握」と「適切な戦略」なしには成り立ちません。市場が何を求めているかを正確に読み取り、そのニーズに応える形で製品やサービスを磨き上げることが、長期的な成長の鍵となります。

SUV偏重戦略と「定番を磨く」価値、そして仕上げの重要性

ボルボの経営陣は今、はっきりとSUV中心のブランド戦略へ舵を切っています。新型セダン「ES90」が通常のセダンよりも高めの最低地上高を持つのも偶然ではありません。近年の市場動向を見れば、SUVやクロスオーバーが販売の大半を占めており、ボルボはその流れを正面から受け止めています。

一方で、新型車をゼロから開発するのではなく、既存のベストセラーモデルであるXC60やXC90に特別仕様や限定トリムを追加して魅力を維持しようという動きも見られます。これは、「新しさ」よりも「安心感」を重視する顧客層に刺さる戦略ですが、同時にリスクも伴います。なぜなら、既存モデルの価値を高めるには、細部の仕上がりと完成度が何より重要だからです。

この考え方は、私たちSOUPの仕事にも通じます。お客様から「もう何年も乗っている愛車だけど、また新車のように輝かせたい」というご依頼をいただくことがあります。ここで求められるのは、派手な仕様変更ではなく、塗装本来の艶と深みを最大限に引き出す施工です。ガスプライマー処理で下地を完璧に整え、セラミックコーティングで塗膜を保護しつつ光沢を長期間維持する――これこそが「定番を磨く」仕事です。

ボルボがXC60やXC90に特別仕様を設定しても、それが市場で成功するかどうかは、見た目や装備の新鮮さだけでは決まりません。最終的には、ドアを開けた瞬間の質感、内装の手触り、塗装面の輝きなど、所有する喜びを日々感じさせるディテールが大きな役割を果たします。そしてその感覚は、外装の仕上げによって大きく左右されます。

私はオーナー様によくこうお伝えします。「最新モデルに買い替えなくても、適切な施工で愛車は生まれ変わります」と。SUVであれセダンであれ、ボディラインが美しく見えるかどうかは光の反射で決まります。塗装面を徹底的に磨き上げ、分子レベルでコーティングを密着させることは、単なる見た目の改善ではなく、愛車との関係をもう一度深めるきっかけになります。

ボルボの再建が成功するかどうかは、2027年以降の生産体制や新戦略の精度にかかっています。しかし、私たちコーティングの現場では、今日この瞬間から「磨くことで価値を高める」ことが可能です。待つだけではなく、今できる最高の仕上げを提供する――これが、SOUPの変わらぬ信念です。

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