アメリカ生まれのトヨタが、日本の道路を走る意味

2026年から、アメリカで生産されたトヨタ車が日本に輸入される。カムリ、ハイランダー、そして日本未導入だったフルサイズピックアップのタンドラ。このニュースを聞いたとき、正直なところ「いよいよ来たか」という感覚でした。クルマ業界に長く関わっていると、こうした動きは突然のようで、実はずっと前から下地が整えられていたことが分かります。

今回の背景にあるのは、日米間の貿易バランスと規制の問題です。日本市場にアメリカ製トヨタを導入することで、政治的・経済的な緊張を和らげる狙いがあるのは間違いありません。ただ、現場目線で見ると、それ以上に興味深いのは「このサイズ、この価値観のクルマを、日本のユーザーがどう受け止めるのか」という点です。

特にタンドラは象徴的です。日本の狭い道路、立体駐車場、細かな取り回しを前提とした生活環境の中で、アメリカンサイズのトラックがどう存在感を放つのか。これは単なる輸入車の話ではなく、日本のクルマ文化そのものに対する問いかけでもあります。

SOUPには、国産車・輸入車を問わず「人と違う選択をしたい」というオーナーさんが多く来られます。そういう方に共通しているのは、流行ではなく“納得感”を大切にしている点です。アメリカ製カムリやハイランダー、タンドラを選ぶという行為も、まさにその延長線上にあると感じています。

 

そして、こうしたクルマほど外装のコンディションが印象を大きく左右します。ボディサイズが大きい分、塗装面のうねりや映り込みは隠せません。輸入直後の塗装は一見きれいでも、実際には輸送や保管の過程で細かなダメージを受けているケースも多い。だからこそ、納車後すぐの下地処理とセラミックコーティングが重要になります。

これは見た目を良くするためだけではありません。日本の気候、特に高温多湿な環境では、塗装の劣化スピードが想像以上に早い。アメリカ基準で作られた塗装を、日本で長く美しく保つためには、日本の環境に合わせた対策が必要です。ここに、私たちの仕事の意味があると考えています。

日本で長く乗るために、最初にやるべきこと

アメリカ製トヨタが日本に入ってくることで、「そのまま乗る」選択肢と「日本仕様に仕立て直す」選択肢が生まれます。SOUPのオーナーとしておすすめしたいのは、間違いなく後者です。特に外装に関しては、最初の一手で数年後の状態が決まると言っても過言ではありません。

最近よく聞かれるのが、「セラミックコーティングは本当に必要なのか?」という質問です。答えはシンプルで、“長く大切に乗りたいなら必要”です。ただし、やり方を間違えると意味がありません。塗装表面が整っていない状態でコーティングをしても、それは保護ではなく“封じ込め”になってしまいます。

SOUPでは、セラミックコーティングの前段階としてガスプライマー処理を重視しています。これは塗装とコーティングの密着性を高めるための工程で、簡単に言えば「下地を整え、受け皿を作る」作業です。特に輸入車や大型車は、パネルごとの塗装状態にばらつきがあるため、この工程が仕上がりを大きく左右します。

徳島県三好市のカーコーティング専門店SOUPで施工中のトヨタ FJA300 ランドクルーザー300。G.Guardガラスコーティングメンテナンス前の細部洗浄と徹底的な下地処理で、最高の光沢と保護性能を引き出す準備を進行中。

タンドラのようなフルサイズ車は、洗車一つとっても負担が大きい。だからこそ、汚れが落としやすく、再付着しにくい状態を作っておくことが、結果的にオーナーさんの手間を減らします。これは“楽をするための投資”とも言えるかもしれません。

また、日本では輸入車というだけでリセールを気にされる方も多いですが、実際には外装の状態が価格を大きく左右します。塗装のツヤ、シミの有無、クリア層の健全性。これらは写真以上に実車で見られるポイントです。セラミックコーティングと適切な下地処理は、数年後の評価を守る保険のような存在だと感じています。

アメリカで生まれ、日本で走るトヨタ。そこには単なる輸入という言葉では片付けられない物語があります。SOUPとしては、その物語をできるだけ良い状態で、長く続けてもらいたい。そのための技術と考え方を、これからも丁寧に伝えていきたいと思っています。

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