完全自動運転時代の幕開けと“ハンドル・ペダルレス”という挑戦

自動車業界において、かつて「ハンドルを握り、ペダルを踏む」というドライビングの基本構造が、改めて問い直されようとしています。私たちが展開するコーティングビジネスにおいても、クルマの“使われ方”が変われば、メンテナンスや保護のあり方も変化を余儀なくされます。まさに、未来の移動体験が、ボディの保護・内部素材の処理・使用環境という観点からも変わっていくのです。

米国のTesla, Inc.(以下テスラ)が発表した“ロボタクシー”構想の中で、2人乗り専用の完全自動運転車、Tesla Cybercab(以下サイバーキャブ)が注目を集めています。先日伝えられた内容によれば、「ステアリングホイールとペダルを持たず」「完全自動運転に最適化された車両」という位置づけです。

この発表が意味するのは、従来の“運転者が操作するクルマ”から、“利用者がくつろぐクルマ”へと移行する可能性があるということです。私自身、三好市においてカーコーティング専門店を営む中で、クルマのあり方・ケアのあり方がまさに変わる予感を感じています。なぜなら、ハンドル・ペダルという操作機構が無くなるということは、車室内のレイアウトや使用頻度・用途が変化し、それに伴い内装・ボディ・保護層への意識も変わるからです。

たとえば、ハンドル操作の振動やペダル操作による足元の汚れ・擦れという“操作由来”の劣化は、これからのクルマでは少なくなる可能性があります。その一方で、乗車時間が長くなり、シートや内装に触れる時間が増えるので、内装素材の保護・汚れ防止・臭気対策といった観点がより重要になります。ここで私たちが提供する「ガスプライマー」による下地処理、そしてその上に施す「セラミックコーティング」による強固な保護が、従来以上の価値を持つことになると考えています。

ガスプライマーは、ボディや内装の素材表面を化学的に整え、“密着性”を高めるための下地処理です。そしてその上でセラミックコーティングを被膜として形成することで、外的要因(紫外線・酸性雨・走行微粒子など)に対する耐性を飛躍的に向上させます。自動運転車が普及し、走行形態・使われ方が変わる中、こうした「走る車」から「空間としての車」への転換期において、私たちのビジネスには新たな役割が出てくるのです。

 

さらに、完全自動運転という時代においては、クルマの“美しさ”・“清潔さ”・“快適性”が、単なる付加価値ではなく、利用者にとっての基本性能になります。例えば、車内でスマートフォンを操作する・オンライン会議をする・あるいはリラックスして映画を見るといった使い方にも適合させる必要があります。そのためには、ガラス・パノラマルーフ・内装パネル・シート表皮などの仕上げが、より丁寧な保護を必要とします。セラミックコーティングによって、これらの材質を長期にわたって“新品のような手触り・輝き”を維持できることが、これからますます求められていくでしょう。

私たちの三好市の店舗においても、「これからのクルマはこういう使われ方をする」という想定をもとに、コーティングメニューの見直しを進めています。たとえば、ハンドル・ペダル操作による擦れや汚れを想定しない内装プラン、長時間居座る乗車形態に適した“おもてなし仕様”のシート保護プランなど。こうした視点を先取りすることで、地域のお客様に対して「未来を見据えたクルマケア」を提供したいと思っています。

まとめると、テスラのCybercabの発表は、自動運転技術だけでなく「クルマとは何か」「クルマをどう使うか」「クルマをどう守るか」という問いを改めて我々に投げかけています。そして、その問いに対して、ガスプライマー+セラミックコーティングという“保護の新基準”を持つ私たちが、地域において重要な役割を担うと信じています。

私たちのコーティング技術が描く“モビリティの未来”

徳島県三好市のカーコーティング専門店SOUPにて施工中のミツビシ CV1W デリカD:5。 SystemX Crystal SSセラミックコーティングの高密着性を実現するため、専用プライマーを活用したプロフェッショナルな作業。

冒頭では、自動運転によってクルマの利用シーンそのものが変わることを述べました。次に、私たちが専門とする「ガスプライマー」と「セラミックコーティング」が、なぜこの変化期において理にかなった技術であるかを、あらためて整理してみましょう。

まず「ガスプライマー」。これは、車体の塗装面および合成素材・樹脂素材など多様化する素材に対して、化学的・物理的に下地処理を行う技術です。具体的には、洗浄・脱脂・微細研磨・特殊ガスショット処理といった複合工程を通じて、被膜の付着性を高め、錆び・腐食・素材劣化の初動を抑制します。私どもSOUPでは、香川県など近隣地域からお越しのお客様にもこの工程を評価いただいており、「新車同然の輝きが長く続く」というご紹介をいただいております。

このガスプライマーによって車体素材の“準備”が整った後に、「セラミックコーティング」が登場します。セラミックコーティングは、無機質な硬質被膜を形成し、紫外線・酸性雨・塩害・走行中微粒子などから塗装面・樹脂・金属素材を保護します。これは従来のワックスや樹脂系ポリマーとは異なり、硬質かつ高耐久な構造を持つため、メンテナンス頻度の低減・長期保護効果・美観維持という点で優れています。

では、なぜこの二段構えの技術が「自動運転時代」に特に意味を持つのか。ひとつには、乗車時間が長くなったり、利用目的が「移動」から「時間の有効活用」へと移行することで、クルマの機能が“道具”から“空間”へと変わるからです。たとえば、運転操作を人が行わないということは、乗員がシートに座ってくつろいだり、仕事をしたり、子どもと会話をしたりといった“空間的な用途”が高まります。こうした車内利用の増加により、車内外ともに「人が長時間触れ・使う」部位が増えます。ゆえに、内装素材の保護や、表面劣化・色あせ・擦れ・汚れというリスクに対して、より高い耐久性・美観・快適性が求められるのです。

徳島県三好市のカーコーティング専門店SOUPで施工中のミツビシ CV1W デリカD:5。 SystemX Crystal SSセラミックコーティングの下地処理として、徹底した洗浄と研磨でボディ本来の輝きを引き出す。

そしてもうひとつ、走行過程そのものが変わるという点です。完全自動運転車は、都市のモビリティ環境の中で“シェア”・“オンデマンド”・“ラウンジ化”といった新しい使われ方をされる可能性があります。つまり、クルマが常に動いていて、使用頻度が増え、停車・発進回数が増え、走行耐久性・外装耐候性・内装素材の寿命が従来以上に試されることになります。こうした変化に対して、被膜耐久性・防汚能力・素材保護性能を高めておくことは、ビジネス上もユーザー上も重要です。

具体的な例を交えます。たとえば都市のロボタクシー車両として使用される車体では、塗装面への紫外線照射時間が毎日長時間になったり、高頻度利用による微細な擦れ・飛び石・洗車回数増加・乗降回数の増大など、劣化因子が山積します。このとき、下地が脆弱であれば、長期的な塗装保護・美観維持という観点で大きなコスト増・利用者満足度低下を招きかねません。しかし、ガスプライマーという下地処理を行い、その上にセラミックコーティングを施しておけば、劣化の初期段階を強固に抑え、維持管理コストを抑制しながら美観を維持することが可能です。

私どもSOUPでは、こうした将来を見据えて「新車導入時コース」「法人車両・法人フリート向けコース」「長期使用車両再施工コース」という3つのプランを設けております。法人フリート車両、特に「ロボタクシー」用途を想定した車両保護プランでは、市場に先駆けて「長時間稼働・高頻度使用に耐えるボディ保護技術」の展開を進めています。地域のお客様、そして近隣県からご来店くださる法人様に対しても、「未来の使われ方に適応した保護」をご提案しています。

地域社会における展望と、コーティングビジネスの役割

私たちが拠点を置く徳島県三好市は、自然環境と地域コミュニティの豊かさが魅力の地です。そのような地域で、私はクルマを通じて「地域の移動・暮らし・仕事」を支える事業を展開しております。カーコーティング専門店SOUP、そして中古車買取・販売のエムネットなどの複数事業を通して、「まちの移動を快適に・美しく・長く使えるクルマで支える」という想いを掲げています。

この “未来型モビリティ保護” の観点から、先に触れたように“ハンドル・ペダルのない完全自動運転車” という変革が進もうとしています。こうした変革は、単に都市部のハイテク車両の話にとどまらず、地方の移動手段、観光車両、レンタカー、移動店舗車、車中泊車など、幅広い車種・用途に波及する可能性があります。例えば、これから数年で導入が検討されているロボタクシーや自動運転シャトル車両においても、地域の観光拠点と連携した活用が想定されます。その際、車両が長時間稼働し、頻繁に乗降を繰り返すような使われ方になるため、ボディや内装の劣化リスク・メンテナンス頻度やコストという観点が、これまで以上に地域事業者にとって重要になります。

そこで私たちSOUPには、地域社会と連携する役割があります。具体的には、「地域車両保護プロジェクト」として、観光タクシー・送迎バス・レンタカー車両・移動ワゴンなどに対して、ガスプライマーとセラミックコーティングをセットにした長期保護プランを提供し、地域の移動基盤を“美観と耐久性”という切り口で支えていきたいと思っています。例えば観光地を巡る送迎車が、朝から晩まで稼働し、雨風・砂埃・温度変化・頻繁な清掃という過酷条件にさらされたとしても、被膜保護が適切にされていれば維持管理コストを抑えつつ、美しい外観を維持できます。

加えて、ユーザー目線で申し上げると、クルマを購入されたお客様が「安心して長く使える」と感じていただける環境づくりが、私たちの使命です。たとえば新車納車時に「せっかくこのクルマを選んだのだから、時間が経っても新車のような輝きを保ってほしい」といったご相談を多く受けます。ここに、ガスプライマー+セラミックコーティングという保護技術を提案し、将来の価値維持・維持コスト抑制という観点からもご安心いただいております。

ミツビシ CV1W デリカD:5にSystemX Crystal SSセラミックコーティングを施工中。 徳島県三好市のカーコーティング専門店SOUPでは遠赤外線乾燥を導入し、艶・耐久性・防汚性能を極限まで高めた仕上げを実現。

また、完全自動運転車という未来が到来するにあたって、クルマの使われ方が“所有”から“活用”へと変わっていく可能性があります。たとえば、個人所有からサブスクリプション利用・共有車両・モビリティサービス車両へとシフトする中で、車両の回転率が高まり、メンテナンスサイクルが短くなります。こうなると、車両の外装・内装の保護技術を予め備えておくことが、運用コスト・ブランド印象・ユーザー満足度という面で競争優位になります。私たちは、地域の事業者様にもこの視点で「車両保護コンサルティング」をご提供し、車両の長期稼働・美観維持・快適な乗車環境づくりをサポートいたします。

最後に、私自身の想いとして。父を幼くして亡くし、地域への感謝とともにビジネスを育ててきた経験を持つ私は、クルマを通じて「息子・娘・妻が心穏やかに過ごせる社会」を願っております。そして、三好市というこの地で、移動を支え、美観を支え、クルマを長く美しく使える環境づくりを通じて、地域社会に貢献していきたいと考えています。未来のモビリティがどのような形をとろうとも、“保護”という観点で、私たちSOUPは地域の皆様とともに歩んでまいります。

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