ハーレクイン・ポロが教えてくれた、クルマの“楽しさ”とVWの精神
カラフルなボディをまとったフォルクスワーゲンのハーレクイン・ポロ。そのユニークな姿は、見た人の記憶にしっかりと刻まれる個性を放っています。1995年に登場したこの限定モデルは、単なる色違いの車ではなく、VWというブランドが持つ遊び心と柔軟な発想力、そして何より「車は生活の道具であると同時に、感情を動かす存在である」というメッセージの表れでもあります。
このハーレクイン・ポロが誕生するきっかけとなったのは、1994年に作られたわずか9台の“デモカー”。異なる色のボディパネルを組み合わせたそれらは、本来VWのモジュール式生産の可能性をアピールするためのものでした。しかしその遊び心あふれるデザインが大きな話題を呼び、「このまま販売してほしい」という声が殺到。翌年、正式に「ポロ・ハーレクイン」が限定生産されたのです。
使用された色にはすべて名前があり、Chagallblau(シャガールブルー)、Flashrot(フラッシュレッド)、Ginstergelb(ジンスタイエロー)、Pistazie(ピスタチオグリーン)の4色がランダムに組み合わされています。全体で3,800台以上がヨーロッパで販売され、後にそのデザインコンセプトはゴルフなど他のモデルにも波及しました。
私はカーコーティング専門店SOUPの運営を通じて、クルマに対する“愛着”というものの本質を日々考えていますが、このハーレクイン・ポロはまさにその象徴のような存在です。色で遊ぶという一見軽やかな行為の中にも、「自分らしさを表現したい」「人と違う何かが欲しい」といった強い想いが込められているのです。
だからこそ、私たちが提供するセラミックコーティングにも、そのクルマごとの個性を大切にしたいという思いがあります。ボディのカラーに合わせた艶感の調整、素材の質感を活かした施工、そして経年劣化を防ぎつつ、その鮮やかな色彩を長く保つ工夫。それがSOUPの“こだわり”です。
ハーレクイン・ポロのように、人の心をくすぐるクルマには、見た目のユニークさだけでなく「永く大切にされる理由」があります。そしてそれは、単なるプロダクトではなく、“愛着の対象”としての価値を生み出しているのです。そんなクルマたちを守る手段として、私たちのセラミックコーティングがあるのだと、私は思っています。
走る芸術品──ラリークロス仕様ハーレクイン・ポロの挑戦
ポロの50周年を祝う形で、フォルクスワーゲンUKが2018年製のポロRラリークロス・ショーカーにハーレクインの意匠を施したのは、実に心憎い演出でした。単なるノスタルジーではなく、VWの“戦うDNA”と“遊び心”の融合。それがこの特別仕様のポロには詰まっています。
ラリークロス仕様のこのマシンは、市販モデルとは異なり、低く構えたフォルムに太いタイヤ、カーボン製の大型リアウィング、そしてコミック調のグラフィックを纏い、視覚的なインパクトは抜群です。ただの再現にとどまらず、1990年代の雰囲気を残しつつ、現代のレース車両としての迫力と性能をまとっています。
なぜ“普通のポロ”ではなく、ラリークロス仕様なのか?それは、ポロという車種がWRC(世界ラリー選手権)で2013年から2016年まで4年連続チャンピオンを獲得した名車であり、その後のWorld Rallycross選手権でも2017年から6回ものタイトルを手にするという、VWの誇る「勝てるマシン」だからです。
つまりこのマシンは、VWの50年にわたる歴史、競技実績、そしてハーレクインの個性という三位一体のオマージュでもあるのです。
さて、こうした競技車両に共通して言えるのは「過酷な環境下での耐久性」が常に求められるということです。泥、砂利、雪、水しぶき、そして高速走行中の飛び石──どれも塗装やボディにとっては脅威となります。
私たちSOUPでは、こうした環境に耐えるためのセラミックコーティングも手がけています。特にラリー車のようにハードな状況にさらされる車両の場合、通常のコーティングでは防げない微細なキズや化学的劣化も発生します。
そのため、耐擦傷性に優れたセラミック層を形成し、かつ熱変化や紫外線にも強いトップコートとの組み合わせを推奨しています。ボディカラーが複数存在するハーレクイン仕様車の場合、色ごとに違った発色や光沢が出やすいため、コーティングの均質性や仕上がりの見た目も特に重要です。
見た目が個性的な車こそ、塗装の劣化や表面のくすみが目立ちやすいもの。だからこそ、保護性能に加えて“美観維持”を第一に考える施工が必要です。ラリーカーと同じように、街を駆け抜ける愛車にもそのレベルの防御力を与える。それがSOUPが目指すコーティングのあり方なのです。
ハーレクインが教えてくれる、カーライフの“関係性”とコーティングの未来
クルマの色が違うだけで、こんなにも印象が変わるのか──。ハーレクイン・ポロは、そんな問いを我々に投げかけてきます。見た瞬間に笑顔になり、どこか懐かしく、そして自由な気持ちにさせてくれる。単なる移動手段ではなく、感情に訴えかける“プロダクト”として、これほど完成された一台も珍しいでしょう。
クルマは人の人生と共にあります。買った時のワクワク、初めて家族を乗せた日、仲間と夜のドライブに出かけた思い出。色や形、そしてその存在感のすべてが、オーナーの“人生の風景”の一部となっていきます。
そう考えたとき、ハーレクインのように見た目で心を揺さぶる車が、長年にわたって多くの人に愛されてきた理由も納得がいきます。そして今、そのアイコニックな姿がラリークロス仕様という形で再び脚光を浴びたことで、「愛され続ける車」には理由があると改めて実感しました。
私たちSOUPが提供しているセラミックコーティングも、単なる“防汚・防傷”の機能だけではありません。むしろ、「この車をずっと大切にしたい」「きれいな状態を保っていたい」というオーナー様の気持ちに応えるための手段だと考えています。
特にハーレクインのように、色とりどりのボディカラーが組み合わさった車の場合、それぞれのパネルの色あせや塗装面の劣化が、視覚的に如実に現れてしまいます。そこを防ぎ、“購入時の色鮮やかさ”を長く保つためには、やはり高度なコーティング技術が必要です。
SOUPでは、車の持つストーリー性や個性に寄り添ったコーティング提案を大切にしています。オーナー様がどんな目的で車を所有しているのか、どんな環境で乗るのか、そして5年後・10年後もその車とどう付き合っていきたいのか。そういったライフスタイルに合わせて、最適なセラミックコーティングをお勧めしています。
未来のカーライフにおいて、車の性能や装備だけでなく「人と車との関係性」がますます重視されていくと私は確信しています。その中で、車を美しく保ち、愛着を深めていく手段として、セラミックコーティングはますます重要な役割を担っていくでしょう。
ハーレクイン・ポロが再び注目された今、私たちも「ただのコーティング屋」ではなく、“愛車との関係を守るパートナー”として、進化し続けなければいけないと強く感じています。