終わりが決まったからこそ、もう一度原点に戻るという選択

「ワイルド・スピード」シリーズが、ついに終わりを迎える。そんなニュースを聞いて、正直なところ少し胸が詰まりました。2028年3月公開予定の最終作、その名も『Fast Forever』。タイトルからして、もうズルいですよね。速さは永遠、でも物語はここで一区切り。長く続いたシリーズだからこそ、この“終わらせ方”には強い意志を感じます。
今回の最終章で特に象徴的なのが、ブライアン・オコナーの存在です。ポール・ウォーカーが演じたこのキャラクターは、シリーズの心臓部と言っても過言ではありません。彼が再びドミニクと同じ時間を走る。その事実だけで、初期作品をリアルタイムで観てきた世代には、説明不要の感情が込み上げてくると思います。
ロサンゼルスのストリート、夜のアスファルト、仲間とクルマ。物語は再び“始まりの場所”へ戻るそうです。これは単なる演出ではなく、「何を大切にしてきたシリーズだったのか」を改めて問い直す構成だと感じています。派手なアクションやスケールの大きさよりも、クルマと人との距離感。その原点回帰は、とても誠実です。

私たちSOUPで日々クルマと向き合っていると、こうした考え方に強く共感します。流行や派手さではなく、「なぜそれをやるのか」「何を守りたいのか」。長く続くものほど、最後に問われるのはそこです。セラミックコーティングも同じで、単に艶を出すためのものではありません。塗装というクルマの“記憶”を、次の時間へきちんと引き継ぐための技術だと、私たちは考えています。
終わりが見えるからこそ、原点に立ち返る。Fast Foreverが選んだその姿勢は、クルマに関わる仕事をしている人間として、とてもまっすぐで好感の持てる決断だと感じています。
技術で時間をつなぐということ──映画とコーティングの共通点

ポール・ウォーカーの再登場については、さまざまな意見があると思います。CGや技術の進化をどう捉えるか。けれど私は、「どう見せるか」以上に、「どう向き合うか」が大切だと感じています。彼を雑に使うのではなく、物語の文脈と感情を壊さずに迎え入れる。その覚悟があるかどうかで、作品の価値は大きく変わります。
この話は、私たちの現場にもよく似ています。たとえばガスプライマー。これは目立つ工程ではありませんし、一般の方が完成後に気づくこともほとんどありません。でも、塗装面とセラミックコーティングをしっかり結びつけるために、極めて重要な役割を果たしています。見えない部分を丁寧に仕上げることで、結果として“長く美しさが続く”という価値が生まれるのです。
Fast Foreverが技術を使ってブライアンという存在を未来につなぐように、私たちは技術を使ってクルマの時間を先へ伸ばしています。ただ新しくするのではなく、そのクルマが積み重ねてきた背景や思い出を尊重しながら、次のオーナー、次の時間へ渡していく。その感覚がないと、どんな最新技術も空っぽになってしまいます。
最終作がストリートレースに立ち返るという話も、とても象徴的です。原点には、必ず理由があります。私たちが施工のたびに下地処理を丁寧に行い、ガスプライマーを使い、セラミックコーティングを重ねるのも同じです。派手さより、積み重ね。スピードより、持続性。その価値は、時間が経ってから必ず伝わります。
Fast Foreverは映画ですが、そのメッセージは決してフィクションだけの話ではありません。クルマとどう向き合い、どう未来へ残すのか。シリーズの終わりに描かれるその答えを、同じクルマ好きとして、そしてSOUPのオーナーとして、静かに見届けたいと思っています。


























