シングルステージ塗装の本質と、その魅力を守るために

徳島県三好市でカーコーティング専門店SOUPを営んでおりますオーナーです。クラシックカーやビンテージカーを愛する皆様にとって、ボディの塗装は単なる“色”ではなく、クルマの歴史そのものであり、個性や存在感を象徴する大切な要素だと私たちは考えています。
特に1980年代以前に製造された車両に多く使われているのが、「シングルステージ塗装」と呼ばれる塗装方式です。この塗装は、カラー層とクリア層が一体化しているという特徴を持ち、現代主流の「2層式(ベースコート+クリアコート)」とは明確に異なります。塗装の工程がシンプルでコストを抑えられる一方で、クリア層による保護がないため、紫外線・酸性雨・酸化などに非常に弱いという宿命を背負っています。
そのため、シングルステージ塗装を維持・再生するためには、「適切なアプローチと慎重な施工」が必要不可欠です。誤った処理や過剰な研磨は、塗装層そのものを削り取り、金属地肌を露出させてしまう恐れもあります。SOUPでは、こうしたデリケートな塗装に対して、可能な限り“優しい方法”で輝きを引き出す施工を行っております。
施工前には、まずそのクルマが「シングルステージ塗装」であるかどうかを確認する必要があります。その方法として最も簡単なのが、マイクロファイバータオルにコンパウンドやポリッシュを少量つけ、目立たない部分を軽く擦ってみるというもの。タオルに塗料の色が移れば、それはシングルステージ塗装である証拠です。
この特性を理解しないまま、現代車と同じ感覚でコンパウンドを使用したり、ポリッシャーで強く研磨したりしてしまうと、艶の復活どころか、塗装の損傷や再塗装が必要になる事態にもなりかねません。
ここで、SOUPが推奨しているのが、「セラミックコーティング+ガスプライマー」というアプローチです。特に劣化しやすいシングルステージ塗装に対しては、クリア層の代わりとなるセラミック被膜で保護性能を強化することで、美観の維持だけでなく、紫外線や酸性雨に対する高い耐久性を持たせることができます。
さらに、SOUP独自の技術である「ガスプライマー処理」を下地に施すことで、セラミックコーティングとの密着性を格段に高め、従来の単なる保護膜ではなく、「ボディと一体化する耐候性被膜」として仕上げることが可能になります。
このような高い技術を要する作業だからこそ、地域で数少ない実績と専門知識を持つ施工店を選ぶことが、愛車の塗装寿命を延ばす上で極めて重要です。
酸化したシングルステージ塗装の安全なリフレッシュ方法と、SOUPの施工哲学

愛車の塗装が白っぽくくすみ、艶を失ってしまった――。それは、多くの場合「酸化」が原因です。特にシングルステージ塗装では、紫外線や酸性雨の影響をダイレクトに受けるため、塗膜表面の劣化=酸化が目立ちやすいという特徴があります。SOUPではこのような状態に対して、車体の素材と塗装状態を見極めた上で、最適なリフレッシュ工程をご提案しています。
まず最初に大切なのは、「今、どのレベルの酸化・劣化が進行しているのか」を見極めることです。塗装が白ボケているだけであれば軽度の酸化ですが、金属地肌が見えたりサビが浮いている場合は、すでに塗膜が完全に失われている可能性が高く、リカバリーではなく板金塗装レベルの対応が必要になります。
軽度~中度の酸化であれば、中研磨~軽研磨によるリフレッシュで、塗装本来の色味や艶をある程度取り戻すことができます。ただしここで注意したいのが、「やりすぎない」こと。シングルステージ塗装は非常に繊細で、削りすぎると一気に地肌まで到達してしまうリスクがあります。
SOUPでは、まず酸化した表面層を軽く研磨し、必要最小限で整えることを基本としています。この工程で使うのが、粒度の細かい中程度のコンパウンドと、ダブルアクションポリッシャー。これにより、均一で安全な仕上がりを実現します。

一方で、傷やスワールマーク(洗車傷)が目立つ場合には、超微粒子タイプのポリッシュ剤を使い分けながら、塗装面に過度な負荷をかけずに整えていきます。SOUPで多く使用するのは、ワンステップ仕上げが可能なタイプのポリッシュ。これにより、艶出しと軽度な保護が同時に叶い、塗膜をこれ以上削ることなく、自然な艶感を再現できます。
この工程の最中、研磨パッドには塗装の色素や酸化した粉がびっしりと付着していきます。そのまま作業を続けると、パッドの研磨性能が落ち、逆にムラや傷の原因となることも。SOUPではパネルごとにパッドを清掃しながら施工を進めるため、常に均一な仕上がりを保ちつつ、塗膜に不要な負荷をかけることを防いでいます。
そして、研磨によって生まれた艶をそのままに終わらせないのが、「SOUP流」仕上げの真骨頂です。私たちはここにガスプライマーを導入し、塗装表面の分子を開き、セラミックコーティングとの密着力を格段に高める処理を施します。
このガスプライマーは、特にシングルステージ塗装との相性が良く、コーティングの定着力を向上させるだけでなく、塗装本来の発色を引き出す効果も期待できます。その上に重ねるセラミックコーティングによって、かつての輝きと、それを守る層が復活するのです。
「塗装を削って艶を出す」ではなく、「最低限の補正で、最善の保護を得る」。この考え方こそが、私たちSOUPがクラシックカーオーナー様から信頼をいただいている理由でもあります。
艶を守るために必要なこと──セラミックコーティングとメンテナンスの真価

研磨や補正作業を経て、かつての美しさを取り戻したシングルステージ塗装。それは単なる“終わり”ではなく、これからの保護と維持のスタートだと、私たちSOUPでは考えています。
従来、塗装の保護手段といえば「ワックス」や「ポリマーコート」が一般的でした。しかし、徳島のような気候変化の激しい地域では、高温多湿・雨・直射日光・花粉や黄砂・海風といった外的要因が年中愛車を脅かします。
こうした厳しい環境から塗装を守るために、SOUPではセラミックコーティングの施工を強くおすすめしています。特にシングルステージ塗装のようにクリア層が存在しない塗膜にとって、“新たなクリア層”となる保護膜を与えることができるのが、このセラミックコートなのです。
セラミックコーティングの特長は、多層構造による高い耐候性・耐熱性・撥水性能にあります。そして何よりも重要なのが、長期間にわたって艶と防汚性能が持続すること。一度の施工で2〜5年という耐久性を確保できるため、頻繁なメンテナンスや再施工の手間も大きく軽減されます。
そして、私たちSOUPが誇るのはこのセラミックコーティングの性能を最大限引き出す「ガスプライマー処理」です。目に見えない分子レベルの汚れや油膜、古いコーティング成分を分解除去し、塗装面にナノレベルで浸透するベース層を形成。この処理を行うことで、コーティング剤との密着度が飛躍的に向上し、耐久年数だけでなく、発色の透明感や艶もより鮮明に感じていただけます。
「リフレッシュ+ガスプライマー+セラミックコーティング」──この3段構えによる施工工程は、SOUPが古い塗装や特殊な塗膜にも自信を持って対応できる理由です。

また、メンテナンスのしやすさも大きなメリット。コーティング施工後は、通常の水洗いや中性カーシャンプーだけでほとんどの汚れを簡単に落とすことが可能になります。特に洗車傷に悩まされていたオーナー様からは「力を入れなくてもキレイになるから、洗車が楽しくなった」とのお声も多数いただいています。
さらに、定期的なトップコート(セラミックブースターや撥水メンテナンス剤)の塗布を行うことで、初期の撥水力や防汚性能を維持しつつ、コーティング寿命をさらに延ばすことも可能です。SOUPでは、1年に1度のメンテナンスプランをご案内しており、施工後も安心してカーライフを楽しんでいただけるようアフターサポートにも注力しています。
「艶を蘇らせる」のではなく、「艶を育て、守り続ける」ことが、本質的な美しさにつながると私たちは考えています。
クラシックカーや旧車、長く乗り続けたい愛車こそ、適切なケアと正しい知識が必要です。SOUPでは、単にコーティングを塗るだけではなく、その1台が持つストーリーを大切にしながら施工を行っております。
シングルステージ塗装の輝きを取り戻し、そして未来へとつないでいくために。
SOUPはその想いに、確かな技術でお応えいたします。


























